Time Machineのバックアップ先をUbuntu Serverにしてみたけど、バックアップが終わらない

Mac StudioのTime Machine先をUbuntu Serverへ移した判断と、初回バックアップ中に分かったことを紹介します。外付けUSB HDDとの使い分け、サーバー管理の面倒などなど。

僕のMac StudioのTime Machine先は、今2つあります。自宅のUbuntu Server 8TBと、Macに直接つないだUSB接続の4TB HDDです。

この記事は「Ubuntu Serverで安定運用できた」という記録ではありません。Ubuntu Serverへの暗号化した初回バックアップは4〜5日経ってもまだ終わっていない途中経過です。差分バックアップの安定性も、復元も、まだ確認できていません。

それでも書く価値があると思ったのは、始める前に確認すべき条件が、やってみてはっきりしたからです。この記事では、Synology NASからの移行、現在の構成と設定の実態、初回バックアップがまだ終わっていない状況を記録として残します。

読み終わったとき、「自分はサーバーへ向けるべきか、外付けUSB HDDで足りるのか」を参考にできる状態になってもらえればと思います。

移した理由はSynologyへの不満ではなく、NAS本体の老朽化とHDDの配置

最初に結論を言うと、前のバックアップ先に不満は特にありませんでした。

以前は、Synology NASに接続した外付けUSBの4TB HDDへTime Machineのバックアップを取っていました。この構成で困った記憶はなく、やめた理由はただひとつ、Synology NAS本体が古くなりすぎて、いつ壊れるか分からなくなったから。

僕が使っているのは容量6TBHDDを2台RAIDで使っていたSynology NASで、2018年からバックアップの土台としていたんだけど、HDD1台が壊れてしまい、さすがに使い続けられないと判断しました。

では次をどうするか。手元には、Ryzen 7 3700X・メモリ48GBのUbuntu Serverがあり、そこに8TBのHDDが2台つながっています。Synology側の4TB HDDより新しく、容量も大きい。だったらそっちへ向けよう、という判断でした。何かへの不満の解消ではなく、手元で最も新しく容量の大きいHDDがUbuntu Server側にあったというだけでした。

Synologyにつないでいた4TB HDDは捨てていません。今はMacに直接接続して、もうひとつのTime Machine先として使っています。ただ、こちらは容量が足りず、全部はバックアップできていない状態。バックアップが途中で停止してしまっています.....。

比較した4つの選択肢と、クラウドを外した僕の判断

Time Machineの移行先を決めるとき、選択肢は一通り比較しました。外付けUSB HDD、Synology NAS、自宅のUbuntuサーバー、それにクラウドです。

クラウドは、S3やWasabiやBackblazeといったオブジェクトストレージをいろいろ見たけど、コスパが合わなそうだというのが僕の判断でした。理由はコスパが悪そうだという直感です。

HDDは年々容量が増えて、増えた分だけ容量あたりの単価が良くなっていく。一方でクラウドは、サービスとして提供される容量がほとんど固定の場合が多い。そう考えると、クラウドは選択肢には入りませんでした。これは比較した当時の僕の判断で、各サービスの現行価格や仕様を確かめた一般的な優劣ではありません。

なので残ったのは、外付けHDD、Synology NAS、自宅のUbuntu Serverの3つ。Synologyは老朽化で外れ、Ubuntu側に新しく大きいHDDがある。この消去法で行き先が決まりました。

ただ、この考え方には補足が必要です。今はHDDがかなり値上がりしてしまって、僕自身、当分の間は買い増しを考えられないほど高くなってしまいました。HDDは時間の経過と共に安くなっていくのが当たり前だったのに、もうおいそれとこれまで買っていた容量より上のスペックを気軽に購入することはできない状況です。

「HDDは容量単価が下がり続ける」という前提そのものが、今は存在しない状況になってしまっています。

Time Machine構成と設定の実態。Samba設定はAIエージェントに任せた

Ubuntu Serverの8TB HDD 2台は、ミラーリングしていません。別々に運用しています。

1台はファイル置き場、もう1台はほぼTime Machine専用という分担にしています。冗長化された構成は選んでいません。

Time Machine用には専用の共有フォルダを作りました。割り当て上限は5TBにしていて、「TimeMachine-mac studio」と設定されていて、専用ユーザーは作らず普段のUbuntuユーザーをそのまま使っています。

設定作業そのものについては、SMB/Sambaの設定は、全部AIエージェントのCodexにやってもらいました。今までの印象だと、MacからSambaでTime Machine先を認識させるのは面倒な作業だったんですが、今回は特につまずかず、エラーも、設定が合っているのに動かないという場面もありませんでした。

でも、これを「AIに任せればSamba設定は簡単」というわけではなく、僕の環境での1回の経験に過ぎないことと、Samba設定くらいなら何度もやっているので勘が働いてたこともります。

何を設定したのかを自分で説明できない状態でサーバーを運用に入れるのは、あとで書く「全部自己責任」という条件と相性が悪く、設定を任せられることと、保守を引き受けられることは別の話なので要注意です。

初回バックアップの途中経過。確認済みと言えるのはここまで

で、バックアップはちゃんと動いているのか。

初回バックアップは、運用開始から4〜5日経ってもまだ終わっていません。

Time Machineの画面表示は、完了76.3%、コピーしたファイルサイズ84.67GB、残り時間約16時間、空き容量3.52TB、割り当て容量5TB、暗号化あり、という状態。率直に、コピーが遅すぎる。

Mac側のストレージは、内蔵SSD 1TBに外付けSSDが1TBと2TBで、接続している合計は4TBです。これは接続ストレージの合計容量で、実際にバックアップされるストレージでは、外付けSSD2TBは除外しています。

もうひとつのバックアップ先である直結のUSB 4TB HDDは、容量不足でコピーが途中で止まりました。一方、Ubuntu Server側は今のところ中断していません。

つまり、現時点で確認済みと言えるのは、「Ubuntu ServerがTime Machine先として認識され、暗号化した初回バックアップが途中まで中断なく進行している」ここまでです。

Time Machine初回バックアップの完了、初回以降の差分バックアップの安定性、そしていちばん大事な復元は、どれも1日では終わらない1週間単位の作業になっています。バックアップは復元できて初めて意味があるので、もどかしい気分です。

増える面倒と維持コスト。サーバーは全部自己責任になる

保守の実態から書くと、僕は今ほとんど何もしていません。Ubuntuの更新をたまに手作業でコマンドを打つ程度で、HDDの状態確認も特にしていない。Time MachineのSamba設定を一度してしまえば、日常的にやることは特にない、というのが実感です。

ただ、この「ほぼ放置」は、初回バックアップすら終わっていない段階の実感ですし、増える面倒ははっきりしています。

Ubuntu Serverは、自分で全部管理しないといけない。サーバーが壊れたときも、全部自己責任です。外付けHDDをMacに接続するだけのTime Machineと違って、OSもストレージもネットワークも自分で面倒を見ることになります。今は何もやっていなくても、もしものときにはすべて自分で責任を負わなければいけない。

逆に、Ubuntu Serverにして明確に消えた面倒というのは特に思いつきませんでした。むしろTime Machine単体で考えるなら、USBのハードディスクが一番いいと僕は思っています。面倒が消えるからサーバーへ移す、という話ではないんですよね。

Time Machineバックアップを始める前に確認する条件。再利用と新規設計は違う

ここまでの経験を、Time Machineを始める前に確認する条件へ絞ると3つです。

1つ目は、十分なHDD容量。バックアップ先の容量が足りないと、僕のUSB 4TB HDDのように途中で止まって、運用として成立しません。

2つ目は、常時接続できるネットワーク。バックアップ先はMacから常につながっている必要があるので、サーバーとネットワークを安定して維持できることが前提になります。

3つ目は、Linux/Sambaを自分で設定・保守できること。設定はAIに任せられても、動かし続ける責任は自分に残ります。

もうひとつ、自分がどちらの立場かも確認したほうがいいと思います。すでに自宅にサーバーが余っている人と、Time Machineのためにサーバーを新設しようとしている人では、前提がまったく違うからです。

僕は前者で、もともと動いているUbuntu Serverと8TB HDDがありました。そのため、追加費用なくバックアップ環境を用意できたけど、維持費としてサーバーの電気代がかかります。新設する場合の費用としては、高騰しているHDDを用意する必要があるし、母艦のMacのストレージ容量が4TBであってもUSB HDDの4TBではバックアップが停止してしまうこと、ローカルサーバーの2倍の容量がある8TBであってもバックアップが4日ほど経っても完了しないことなど、予期していないことが多く起こります。

ちなみに、サーバー上のHDDには、Time Machineと関係ない使い勝手もあります。ネットワークにつながっているので、どのMacからでもWindowsからでも接続できるファイル共有として使えるし、簡単にプライベートネットワークが作れるTailscaleのようなものを入れていれば外出先からもアクセスできる。

このようなメリットがUbuntu Serverには存在します。

Ubuntu ServerをTime Machine先にしないほうがいい人

Linuxサーバーの管理をやったことがない人、UbuntuやLinuxがそもそも苦手な人、サーバーの管理保守に耐性がない人には、難しいと思います。技術的に不可能という意味ではなく、壊れたときに全部自己責任で対処する構成を、その状態で引き受けるのはしんどいだろう、という意味です。

逆に「市販のNASも基本はLinuxなので、NASを触っている人なら問題なさそう」だと思います。サーバーの面倒を自分の面倒として引き受けられるかどうかですね。

Time Machineのためだけにサーバーは建てなくていい

この記事はUbuntu Serverを薦める記事ではないので、買わない選択肢を明確にしておきます。

まず、Time Machineのためだけにサーバーを新設する必要はないし、面倒なのでやる必要はないと思います。

僕自身、外付けUSB HDDの直接接続を今もバックアップ先のひとつとして使っているし(容量不足でバックアップできなかったけど)、Time Machine単体ならUSB HDDが一番扱いやすいというのが現時点の僕の評価です。Macに挿して、Time Machine先に指定する。管理もほぼそれで終わります。

余ったサーバーがある人でも、Macの外付けUSB HDDで様子を見るので十分です。サーバーへの移行は、条件が揃ってからいつでもできます。

容量確保のための買い増しも、急がなくていいと思います。現時点ではHDDが値上がりしていると感じていて、手持ちのHDDで足りる範囲から始めて、足りなくなったときに考えれば間に合う話です。

サーバーはロマン。そこにあまったパソコンがあったから建てただけ

Ubuntu ServerはTime Machine先として認識でき、暗号化した初回バックアップを進められる。ここまでは僕の環境で実現しています。

ただしその判断は不満の解消ではなく手元のHDDの配置がサーバーにあったから。この引き換えに、サーバーを自己責任で管理する面倒を引き受けています。他の記事でも書いたけど、Linux Serverを構築するのは楽しいけど、ネットに晒した瞬間に攻撃を受け始めます。こういったセキュリティの懸念も考え始めないといけないのはとても面倒で時間のかかることです。

だから、正直に言うと専用のNASや外付けUSB HDDでTime Machineバックアップを構築するのがいいと思います。

それではまた!

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UPTIME

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